ふるさと納税担当が考える「ふるさと納税」制度
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ふるさと納税担当が考える「ふるさと納税」制度

長野県須坂市ふるさと納税(公式)

今や制度が浸透して、全国的に裾野が広がりつつある「ふるさと納税」制度。もちろん税控除や返礼品のことは寄附者さんから関心が高いのですが、自治体職員がどんなことを考えて制度運用しているのか。普段なかなかお伝えできない側面について書いてみます。

返礼品競争をどう考えているのか

総務省のふるさと納税ポータルサイトでは次のような文章があります。

自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、「自治体間の競争」が進むこと。それは、「選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけ」へとつながります。

自治体間の競争が行われることを国は前提にしています。国は人や金の首都圏一極集中を是正するため、地域が活性化し人の流れが地方へ向くことを期待しています。地方には知られていない魅力ある地域がたくさんあります。でも様々な理由で特に若者を中心に東京に人が集中してしまう。今こそ地域の魅力をしっかりアピールして地方を活性化させ、人の流れを創る。とっても大事だと思います。

制度の課題は何か

ふるさと納税をすることになれば、寄附者さんが住む自治体の税収は地域外へ流出します。自治体の寄附「受入額」よりも「流出額」が多くなれば、ふるさと納税赤字が発生することになります。考え方にもよりますが、首都圏で働いている人も学生の頃までは地方で育ち、地方は人材の育成にたくさんお金を投資しています。その投資した人材が首都圏流出したまま地方に戻らない。その分、ふるさとを想う気持ちでふるさと納税をする。そういう寄附者さんを対象に地方が切磋琢磨し競争することで「お金の流れ」が少し変わっていく。これは国が考えている制度趣旨に合うものだと思います。

問題は「お金の流れ」が変わっても「人の流れ」が思うように変わっていかない現実があることなのでしょう。今後新しい生活様式や行動様式で少しずつ変化が生まれてくるのかもしれません。

返礼品競争の実態

総務省通知には、寄附ポータルサイトでの返礼品掲載にあたり、寄附者の適切な選択を阻害する表現をしてはいけないと記載されています。

具体的には次のような内容です。

「適切な選択を阻害するような表現」としては、具体的には、「お得」、「コ スパ(コストパフォーマンス)最強」、「ドカ盛り」、「圧倒的なボリューム」、 「おまけ付き」、「セール」、「買う」、「購入」、「還元」、これらに類似する表現。

しかしながら、言葉で「ドカ盛り」と書かなくても、視覚に訴えるドカ盛りの画像などで掲載されているのが現実です。そこはそれぞれの自治体さんの解釈の仕方次第なのだろうと思っています。毎年、各自治体は掲載予定の返礼品などを総務省に届け出て、ふるさと納税制度の指定自治体としての指定を受けていますので、一定のルールに沿って制度を運用しています。

市の財政にとって大変貴重な寄附金

市の予算支出は福祉給付や人件費など支出が決まっているものと、将来を見据えて投資的・政策的に行う支出があります。人口減少や少子高齢化により、全国多くの自治体が後者の政策的経費捻出に大変苦慮しています。もちろん須坂市も例外ではありません。

須坂市の場合、少し前はふるさと納税受入額が1億円程度でした。今は13億円を超える寄附を全国の寄附者さんからいただき、様々な事業に活用させていただいています。まさに寄附者様の1件1件のご寄附が直接市民の生活につながっています。

返礼品競争から魅力アピール競争へ

魅力ある地域、そこに住む人が豊かさやしあわせを実感できる地域を創生していくためには財源が必要です。しかし、ふるさと納税で寄附を受け付け、返礼品をお届けして終わりでは全国10万人を超える寄附者さんと繋がれた「きっかけ」がもったいないと思っています。国もふるさと納税を通じて、寄附者との継続的なつながりをつくる取り組みを自治体に求めています。

返礼品は「この返礼品を贈らせていただくので寄附金を通じて市が行う取り組みを応援してください」という自治体のメッセージです。返礼品提供型のクラウドファンディングとも言えるのではないでしょうか。

ふるさと納税の寄附者さんを「株主」と呼んでいる自治体もあります。いただいた寄附金は確実に市の事業に使われており、自治体経営の資金提供者であることから株主なのですね。そういう意味で返礼品は一つの株主優待ということでしょうか。

担当者としてはふるさと納税がきっかけでつながった寄附者さんとの一期一会を大切に、細い糸を少しずつ太くしていく取り組みをしたいなと思っています。

ふるさと納税は「競争」ではなく「切磋琢磨」ですね。切磋琢磨がなければ変化は生まれない。各自治体がそれぞれの地域の魅力向上に向け取り組む。ひいては地方の良さが見直され、人の流れが地方へ向かう。それはまさに国が期待する地方創生。返礼品送付だけに注目するのではなく、先にどんな工夫を見出すか。今後はそのあたりの自治体間競争になっていくのではないか、ふるさと納税も次のフェーズに入っていくのではと思っています。

寄附者さんにとって、返礼品を受け取るプラスアルファの何かをその自治体から感じることができるか、そんな観点で寄附先を選ぶようになってくるような気がしています。そうなってくると完璧に「ふるさと納税」というより、名実ともに「ふるさと応援寄附金」なわけで、自治体としても寄附者さんへのアピールが重要になってくるのだと思います。

今後noteを活用してやっていきたいこと

このnoteをうまく使い、ふるさと納税の背景や市の取り組み、頑張る生産者さんの情報など、ふるさと納税を取り巻くストーリーをお届けしたいです。今はスマートフォンで二次元バーコードを読み取ることで簡単に情報にアクセスできます。

返礼品の梱包物からnoteなどの媒体に気軽にアクセスいただき「電子版ふるさと納税広報」のようなイメージで様々な市の魅力やストーリーをお知らせしていけたらいいなと思っています。返礼品送付で作ったきっかけとつながりを大切にし、温める。そんな取り組みを少しずつやっていきたいと思います。

Twitterやnote などで須坂市の返礼品等について書いてくれている寄附者さんがたくさんいます。そういった人たちはネット上にいる須坂市の広報マンであり大変貴重な応援団だと思っています。そういった人をふるさと納税制度をきっかけに一人でも多く作りたいです。

長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます!よろしければ応援、フォローをよろしくお願いします。


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